下請けの町工場からメーカーへ、
自社製品開発への模索
大手水栓バルブメーカーの進出によって下請けメーカーが次第に集まり、水栓金具で国内出荷額の約4割を占める一大拠点だった岐阜県山県市(旧:美山町)。水栓バルブ発祥の地と名付けられたこの場所が、TKS創業の地です。(当時の社名:田中金属製作所)
1965年の創業当時、私たちもまた水栓バルブ部品を手がける下請け業者でした。2001年、節水事業への参入をきっかけに「節水コマ」や「節水シャワーヘッド」など自社製品の開発に力を入れていました。2005年には、発売した節水シャワーヘッド「アリアミスト」が大手ショッピング番組で紹介され、1日最高15,000本を売り上げるヒット商品に。メーカーとして軌道に乗ろうとしていた矢先の2009年、大手取引先の内製化と取引先商社の不祥事により販売先がなくなるという危機的状況に陥りました。
債務超過が膨らむ中、開発部課長の退職も決まり、八方ふさがりの状態となってしまったのです。